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Insight / 速くて快適なサイト

サイトが遅いと、なぜ客が逃げるのか

読了目安 8 分

この記事の結論

遅いサイトは、訪問者を「待たせている」のではなく「追い返している」。Google の合格基準は LCP 2.5 秒・INP 200ms・CLS 0.1 以内ですが、全 Web のモバイル合格率は 48% にすぎません。速度はユーザー体験・離脱率・検索順位の 3 つに同時に効きます。客が逃げるのは「遅さ」そのものではなく、遅さが壊す第一印象と信頼です。

表示が遅いほど、訪問者は静かに去っていく 速い(〜2.5秒) 読む・比べる・問い合わせる やや遅い 「重いな」と感じ始める 遅い 表示を待たずに戻るボタンを押す =広告費も検索努力も無駄になる
図 1:遅さは「待たせる」だけでは終わらない。表示される前に訪問者を失う。

1. 遅さは「待たせる」ではなく「追い返す」

「サイトが少し遅いくらいなら、待ってもらえばいい」— この感覚が、機会損失の出発点です。実際には、訪問者は待ちません。表示される前に戻るボタンを押します。

人がページの第一印象を判断するのは、わずか 約 50 ミリ秒(0.05 秒)。Lindgaard らの査読論文が示した数字で、Google の研究も一部 17 ミリ秒と追認しています。つまり、ページが表示されきる前から「このサイトは信頼できそうか」の判断は始まっているのです。

表示が遅ければ、ユーザーはその第一印象を形成する機会すら得られません。広告費を払って、検索で上位を取って、せっかく連れてきた訪問者を、玄関先で追い返していることになります。

2. Google の合格基準と、全 Web の現実

Google は「速さ」を曖昧な感覚ではなく、数値で定義しています。それが Core Web Vitals です。主要な中身が表示される速さ LCP は 2.5 秒以内、操作への応答 INP は 200 ミリ秒以内、表示のずれ CLS は 0.1 以内。3 つすべてが基準内で初めて「良好」です。

ところが現実は厳しい。Web Almanac 2025 によれば、全 Web サイトで 3 指標すべてに合格しているのはモバイルで 48%、デスクトップで 56%。半分以上のサイトが、Google の基準を満たせていません。

これは裏を返せばチャンスでもあります。多くの競合が遅いままなら、自分のサイトを基準内に収めるだけで、体験の質で明確な差がつきます。判定は実ユーザーの体験(CrUX)の 75 パーセンタイルで行われるため、回線の遅い人・古い端末の人も含めて速くする必要があります。

全 Web サイトの CWV 合格率(Web Almanac 2025) モバイル 48% 合格 デスクトップ 56% 合格 残りの約半数は Google の速度基準を満たせていない
図 2:全 Web のモバイル合格率は 48%。遅いサイトが多数派という現実。

3. 速度とビジネス指標 — 2020 年の研究

速度が「気持ちよさ」だけでなく「お金」に直結することを示した代表的な研究があります。Deloitte と Google が共同で行った「Milliseconds Make Millions」です。

この研究では、モバイルの表示速度を 0.1 秒改善するだけで、EC のコンバージョン率が 8.4%、平均注文額が 9.2% 向上したと報告されています。旅行サイトのコンバージョンは 10.1% 向上、リード獲得型の情報ページでは直帰率が 8.3% 改善しました。

誠実にお伝えすると、この研究は 2020 年に公表されたものです。それでも現在まで業界標準的に引用され続けているのは、「わずかな速度差がビジネス指標を動かす」という関係が、繰り返し確認されているからです。沼津の小さな会社のサイトでも、構造は同じです。

速度 0.1 秒改善で動いた指標(Deloitte/Google・2020 年公表) EC コンバージョン +8.4% 平均注文額 +9.2% 旅行コンバージョン +10.1% ※ 2020 年公表の研究。現在も業界標準的に引用される。
図 3:たった 0.1 秒の改善が、コンバージョンと注文額を動かす。

4. 遅さは検索順位も削る — 二重の損失

遅いサイトの損失は、離脱だけではありません。検索順位にも効きます。Core Web Vitals は Google の検索ランキング要因の一つとして公式に位置づけられています。

つまり遅さは 二重の損失を生みます。1 つ目は、検索結果での順位が下がり、そもそも訪問者が来にくくなること。2 つ目は、来てくれた数少ない訪問者も、表示を待たずに離脱すること。

逆に言えば、速度を改善すれば両方が同時に良くなります。順位が上がって流入が増え、来た人も離脱しにくくなる。速度対策は「守り」ではなく、流入と変換を同時に押し上げる「攻め」の投資です。

5. 【Top 5】サイトを遅くしている主因

サイトが遅くなる原因の多くは、公開後に少しずつ積み上がった負荷です。中小企業サイトでよく見る 5 つを挙げます。

  1. 最適化されていない大きな画像 — スマホで撮った数 MB の写真をそのまま載せている。LCP を最も悪化させる典型例。

  2. 詰め込まれた解析・広告タグ — 計測タグやチャットツールを足し続けると、JavaScript の総量が膨らみ INP が悪化する。

  3. プラグインの入れすぎ — WordPress などで機能ごとにプラグインを足すと、読み込むコードが累積する。

  4. サイズ指定のない画像・広告枠 — 読み込み後に場所が確定して画面がガタつく。CLS が悪化し、誤タップも誘発する。

  5. 未最適化のホスティング環境 — サーバーの応答が遅いと、何をしても表示の出発点が遅れる。

遅さは「直せる問題」です。上の 5 つはいずれも、公開後に積み上がった負荷であり、計測して 1 つずつ外せば改善します。T.C.HARTON は全ページの速度実測を 方法論ページで公開しています。改善の第一歩は、まず現状を数字で知ることです。

よくある質問

何秒以内に表示されれば「速い」と言えますか?
Google の Core Web Vitals では、主要な中身が表示される LCP が 2.5 秒以内、操作への応答 INP が 200 ミリ秒以内、表示のずれ CLS が 0.1 以内であれば「良好」とされます。3 指標すべてが基準内に入って初めて合格です。
表示速度は本当に売上に影響しますか?
2020 年公表の Deloitte と Google の共同研究では、モバイルの表示速度を 0.1 秒改善すると EC のコンバージョン率が 8.4%、平均注文額が 9.2% 向上したと報告されています。現在も業界標準的に引用される研究で、速度がビジネス指標と結びつくことを示しています。
なぜ多くのサイトは遅いままなのですか?
Web Almanac 2025 によると、全 Web サイトで Core Web Vitals に合格しているのはモバイルで 48% にとどまります。原因は、最適化されていない大きな画像、過剰な JavaScript、詰め込まれた解析タグや広告タグなど、公開後に積み上がった負荷であることが多いです。
表示速度は検索順位にも関係しますか?
関係します。Core Web Vitals は Google の検索ランキング要因の一つです。さらに表示が遅いとユーザーが離脱しやすくなり、せっかく検索から来た人を問い合わせや購入につなげる前に失うことになります。

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出典

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