Insight / 業界レポート(予測 / Phase F 前)
東証スタンダード市場 1,600 社の WEB 品質を予測する — Phase F の前に
読了目安 7 分
予測記事のご利用上の注意
本記事は HARTON Stella scanner Phase F(東証スタンダード市場 約 1,600 社の機械検証)完了前に、Phase E プライム実測値と制度的・構造的差異から透明な仮説で予測する記事です。Phase F 完了時に予測 vs 実測の答え合わせを行い、本ページを更新する予定です。確定データではない点にご注意ください。
予測サマリ(Phase F 前)
スタンダード市場上場 約 1,600 社の中央値は 11-15 点(プライム 17 点比 -2〜-6 点)、致命的 NG は 12-15%(プライム 9.6% 比 +2.4〜+5.4 ポイント)、★ 認定取得は 0 社と予測します。理由は規模差・人材差・予算差により、プライム上場企業より WEB 専任体制を持ちにくい構造があるためです。
1. プライム市場と何が違うのか
東証は 2022 年 4 月に市場区分を再編し、上位からプライム / スタンダード / グロースの 3 区分としました。プライム市場は「グローバル投資家との対話に耐える流動性・ガバナンス水準」を満たす最上位区分で、流通株式時価総額 100 億円以上が目安です。
スタンダード市場は「公開された市場における投資対象として一定の流動性・ガバナンス水準を備えた企業」と JPX 公式に定義されており、流通株式時価総額 10 億円以上が目安です。プライム市場 1,553 社に対し、スタンダード市場は約 1,600 社(2024 年末時点 / JPX 公式)と、ほぼ同規模の母集団になります。
WEB 品質に影響する構造的差異は以下の 3 つと考えられます。
・規模差 — スタンダードは平均的にプライムより小規模で、WEB 専任の情報システム部門・広報部門を持ちにくい
・予算差 — IR / 広報 / マーケ予算が小さく、WEB 投資の絶対額が低い傾向
・運用体制差 — 自社 CMS(特に WordPress)を内部運用する比率が高く、運用上の盲点(管理面露出など)が顕在化しやすい
2. 中央値の予測(11-15 点)
Phase E プライム実測の中央値は 17 点(100 点満点)でした。スタンダードは予算・体制差を考慮し、中央値 11-15 点と予測します。理由は 3 つ:
・プライム内でもパルプ・紙、ガラス・土石、非鉄金属など「BtoB 中堅サイズ業種」の中央値が 10-11 点に集中していた事実から、規模が下がるほど WEB 投資が減る傾向が観察される
・スタンダード市場は内需・地域密着型の企業が多く、グローバル投資家対話の必要性が薄いため、英語コンテンツ・構造化データ等の上位項目が省略されやすい
・小規模企業ほど「制作してそのまま」の保守状態に陥りやすく、Core Web Vitals や WCAG 2.2 等の2024-2025 新基準への追従が遅れている可能性が高い
ただし、スタンダード市場にはテック系・新興企業も含まれており、これらの WEB 品質はプライム平均を上回る可能性もあります。最大値(max)は Phase E と同等の 50 点台まで届く可能性があります。
3. 致命的 NG の予測(12-15%)
Phase E プライム実測の致命的 NG は 9.6%(149 / 1,553 社)で、内訳は WordPress 管理面露出 87% が突出していました。スタンダードでは 12-15%と予測します。理由は:
・WordPress 採用比率がプライムより高いと推定される(自社 CMS 開発の予算がない企業が多い)
・WordPress プラグイン由来の脆弱性が 11,334 件中 91%(Patchstack 2025 年版)と突出して多く、運用体制の弱さが NG に直結する
・プライム内でもBtoC 接点が多い小売 18.1% / 不動産 19.1% / サービス業 15.9%と NG 比率が突出していたため、スタンダードでも同様の業種傾向が予想される
WordPress 管理面露出は /wp-admin/ パスを別パスに変更する・IP 制限・Basic 認証の二重化といった対策で容易に解消できるため、Phase F 公開を契機に対策が進む可能性もあります。詳細は WordPress セキュリティ基礎記事を参照してください。
4. ★ 認定取得の予測(0 社)
HARTON Stella の ★ 認定基準(90 点超)は、構造化データ完備・WCAG 2.2 AA 準拠・Core Web Vitals 全 GOOD・厳格 CSP・Wikidata 連動・llms.txt 設置などを同時に満たす水準を要求します。
東証プライム最高得点が 52 点であった事実から、スタンダードでも★ 認定取得は 0 社と予測します。これは予測の中で最も確度が高い項目です。理由は、★ 取得には日本市場で既存制作会社の標準仕様に存在しない実装(厳格 CSP の Trusted Types、llms.txt + Wikidata Q コード等)が必要だからです。
例外があるとすれば、テック系・SaaS 企業など WEB を本業とする企業の自社サイトが ★ 取得する可能性です。ただし「本業として WEB に投資できる企業」と「上場企業の自社コーポレートサイト」は別問題であり、自社サイトを最新基準で常時メンテし続ける企業は極めて少数です。
5. スタンダード企業がいま備えるべきこと
スタンダード市場上場企業の経営者・WEB 担当者が Phase F 公開前にできる準備は 3 つあります。
・致命的 NG の自己点検 — /wp-admin/ 直アクセス可否、HTTPS 化、SSL 証明書期限、HTTP レスポンスヘッダの CMS 情報露出を確認
・PageSpeed Insights で現状値を取得 — Core Web Vitals(LCP / INP / CLS)を「モバイル」基準で計測し、業界中央値(プライム 17 点)と比較
・構造化データの最低限実装 — Article + BreadcrumbList + Organization の 3 種を JSON-LD で設置し、Google リッチリザルトテストで検証
これらを Phase F 公開前に進めておけば、自社のスコアが業界中央値を超えていることを即座に報告できる体制になります。逆に Phase F で「業種中央値を大きく下回る」結果が出てから対策に動くと、競合に半年遅れます。
6. 予測の答え合わせ方針
Phase F 完了時(2026 年 6-7 月予定)に、本記事を以下のフォーマットで更新します:
・予測 vs 実測比較表 — 中央値 / NG 比率 / ★ 取得 / 業種別格差の予測値と実測値を並べる
・予測が外れた理由の分析 — 想定外の構造的差異・データ品質要因・分類差異を透明に記述
・仮説検証の精度評価 — 「業界中央値の方向性」「NG 比率の傾向」「★ 取得 0 の妥当性」の 3 点で予測精度を客観評価
本記事は HARTON Stella scanner の予測精度を客観的に示すための記録でもあります。後出しジャンケンを避け、先に仮説を公表してから検証する姿勢こそ、機械検証エンジンの信頼性の根拠です。
Phase F 完了時に通知を希望する方は、note 公式アカウントのフォロー、または お問い合わせフォームから「Phase F 通知希望」をお伝えください。
よくある質問
- なぜ Phase F の結果を待たずに予測記事を出すのですか?
- 予測の前提(プライム実測値・制度差・規模差・運用差)を先に明示しておけば、Phase F 完了時に「予測 vs 実測」で仮説検証ができます。後出しで結果に合わせた説明をするより、先に仮説を公開して答え合わせする方が、機械検証エンジンの信頼性を客観的に示せると考えています。
- プライム vs スタンダードで何が違いますか?
- 東証プライムは流動性・ガバナンス・情報開示水準で最上位(流通株式時価総額 100 億円以上が目安)。スタンダードは「公開された市場における投資対象として一定の流動性・ガバナンス水準を備えた企業」(JPX 公式 / 同 10 億円以上が目安)。要は規模・人材・予算で平均的にプライムより小規模な企業群です。
- スタンダード市場は何社ありますか?
- JPX 公式(2024 年末時点)でスタンダード市場上場企業は約 1,600 社(内国・外国株合計)。プライム市場 1,553 社とほぼ同規模の母集団であり、両者の比較は構造的差異の可視化に適しています。
- 予測が外れる可能性は?
- 十分にあります。本記事は仮説を公表する目的の予測であり、確定情報ではありません。Phase F 実測データが本予測と乖離した場合は、その差分こそが新しい知見になります。差分を別記事「予測 vs 実測 — 何が外れたか」として公開する予定です。
- いつ Phase F の結果が出ますか?
- 2026 年 5 月時点で全国再スキャンを実施中です。完了次第、Stella サブセクション(/stella/)でデータ公開、プレスリリース(/press/)で発表予定。完了予定は 2026 年 6-7 月を見込んでいます。本記事を購読していただくか、note 公式アカウントで情報発信します。
関連 Insights 記事
出典
- JPX(日本取引所グループ), 上場会社情報(市場区分・スタンダード)— jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/01.html
- JPX, 市場区分概要(プライム / スタンダード / グロース)— jpx.co.jp/equities/market-restructure
- HARTON, scanner Phase E プライム実測 (2026-05-11) — /press/2026-05-jpx-prime-1553/
- Patchstack, State of WordPress Security Annual Report 2025 — patchstack.com/whitepaper
- W3C, WCAG 2.2 (Recommendation 2023-10) — w3.org/TR/WCAG22
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