このダッシュボードの根幹は「構造ベースアプローチ」です。EMA や RSI といった指標はあくまで背景情報で、 実際の売買根拠は構造的レベルへの接触に置きます。本記事では、ダッシュボードが自動検出する構造レベルの種類と、 それぞれの定義・使い方を解説します。
構造レベルの階層 — 何を信頼するか
すべてのレベルが同格ではありません。信頼度に明確な階層があります。
| 階層 | レベル | 扱い |
|---|---|---|
| 一次 (最重要) | ユーザー描画の TL/SR、前日・前週・前月の高安、ラウンドナンバー | エントリー根拠になる |
| 二次 (確認) | プライスアクション、ATR (SL 算出) | 一次を補強する |
| 三次 (背景) | EMA・ADX・RSI | 方向・強度・過熱の確認のみ |
自動検出する構造レベル
① 前日・前週・前月の高安 (PDH/PDL/PWH/PWL/PMH/PML)
多くのトレーダーが意識する「区切りの価格」です。前日高値 (PDH) や前日安値 (PDL) は、その日のうちに何度も試されやすく、 反発・ブレイクの起点になります。
| 略称 | 意味 | 更新タイミング |
|---|---|---|
| PDH / PDL | 前日高値 / 安値 | サーバー時間 00:00 |
| PWH / PWL | 前週高値 / 安値 | 週初め |
| PMH / PML | 前月高値 / 安値 | 月初め |
② ラウンドナンバー (キリ番)
心理的節目となる価格です。銘柄ごとに自動で刻みを変えて検出します。
| 銘柄 | 刻み |
|---|---|
| XAUUSD (ゴールド) | $50 ごと (例: 3250, 3300) |
| JPY クロス (USDJPY 等) | 50 pips ごと (0.500) |
| メジャー (EURUSD 等) | 100 pips ごと (0.01000) |
③ スイング高安 (フラクタル検出)
直近の高値・安値の「山と谷」を、フラクタル (前後数本より高い/低い極値) として自動検出します。 トレンドの押し目・戻りの起点や、損切りを置くべき直近高安の把握に使います。
④ セッション高安
FX は東京・ロンドン・NY の 3 セッションで性格が変わります。各セッションの高安を記録します。
Asian: 07:00 - 16:00 (JST)
Europe: 16:00 - 22:00 (JST)
NY: 21:00 - 06:00 (JST / 翌日) たとえば「東京時間のレンジ高安を、ロンドン時間にブレイクする」といった典型パターンの把握に役立ちます。 なお当ダッシュボードの主戦時間は、ロンドンと NY が重なる 21:00〜翌 01:00 (JST) の流動性が高い時間帯です。
⑤ VWAP (当日出来高加重平均価格)
その日の「平均的な約定価格」をリアルタイムに描きます。価格が VWAP より上か下かで、その日の買い方/売り方どちらが優勢かを判断でき、 機関投資家が意識する基準線としても知られます。
コンフルエンス — レベルが「重なる」場所が最重要
単独のレベルより、複数の構造レベルが近接して集中する場所のほうが強く効きます。これを「コンフルエンス (合流)」と呼びます。
条件: 複数の構造レベルが ATR × 0.3 以内 に集中
表示: ★マーク + パネルの太枠強調
重要度: 3 要素 < 4 要素 < 5 要素以上 たとえば「前日高値 + ラウンドナンバー $3300 + 下降トレンドライン」が同じ価格帯に集まれば、そこは強力な抵抗帯です。 判定基準に ATR (平均的な変動幅) の 0.3 倍を使うことで、銘柄やボラティリティに応じて「近い」の基準が自動調整されます。
まとめ
- 構造レベルには信頼度の階層がある (一次=TL/SR・高安・キリ番 が最重要)
- 前日高安・ラウンドナンバー・フラクタル・セッション高安・VWAP を自動検出
- 複数レベルが ATR×0.3 以内に集中する「コンフルエンス」が最も効く
- 指標 (EMA/RSI) は背景。エントリーは構造への接触と価格行動で判断する
関連: 相関マトリクスの読み方 / 銘柄パネルと BIAS スコア