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fx T.C.HARTON
ダッシュボード解説 · 約 7 分

銘柄パネルの読み方 — BIAS スコアと 4 時間足トレンドの仕組み

ダッシュボード中央の銘柄パネルが何を計算し、BIAS スコアと D1/H4/H1/M15 のトレンド判定をどう導いているかを、実装ロジックから丁寧に解説します。

MT5-Python Trading Dashboard の画面中央を占めるのが「銘柄パネル」です。XAUUSD を筆頭に 8〜10 銘柄を並べ、各銘柄ごとに BID/ASK・スプレッド・BIAS スコア、そして D1 / H4 / H1 / M15 の 4 時間足それぞれのトレンド判定と指標値を一覧表示します。 この記事では「BIAS スコアが何をどう計算しているか」を、実装ロジックそのままに解説します。

XAUUSD BID 3301.2 / ASK 3301.5 (Sp 3.0) BIAS +8 D1↑ BUY H4↑ BUY H1↑ BUY M15↓ SELL ① レート (コスト) ② BIAS スコア (方向集約) ③ 4 時間足の個別トレンド この例は D1・H4・H1 が買いで揃い、M15 のみ反落 → BIAS +8 (強い買い優勢、押し目待ち)
図: 銘柄パネル 1 行の構成。4 時間足の方向を重み付けで合算した BIAS が、揃い具合を 1 目で示す。

銘柄パネルが表示する 3 つの情報

1 つの銘柄行は、大きく分けて次の 3 ブロックで構成されます。

ブロック内容役割
レートBID / ASK / スプレッド現在のコストと約定環境
BIAS スコア−10 〜 +10 の方向性スコア4 時間足を 1 数値に集約
4 TF 詳細D1/H4/H1/M15 の trend・EMA・ADX・RSI各時間足の状態

採用している時間足と役割

本ダッシュボードは「マルチタイムフレーム・トレンドフォロー」を前提に、4 つの時間足に明確な役割を与えています。

TFEMA 期間役割
D1200大局・方向許可フィルタ
H450主戦 TF (セットアップ確定)
H120エントリーゾーン精密化
M1513執行トリガー

重要なのは、EMA は「価格との位置関係」だけを見る点です。一般的な「移動平均線のゴールデンクロス/デッドクロス」のような 線の交差をシグナル化することはしません。あくまで「価格が EMA の上か下か」=「その時間足が上向きか下向きか」の方向確認に使います。

各時間足の「トレンド」はどう決まるか

1 つの時間足のトレンド方向は、EMA と ADX の 2 つで決めます。ロジックは単純です。

price > EMA かつ ADX >= 閾値  →  上昇 (+)
price < EMA かつ ADX >= 閾値  →  下降 (−)
ADX < 閾値                     →  ノートレンド (0 / 寄与なし)

ここで ADX (Average Directional Index) が「方向の有無」を判定するゲートになっています。 ADX はトレンドの強さを測る指標で、値が低い = 方向感のないレンジ相場を意味します。 EMA で上下を判定しても、ADX が閾値未満なら「まだトレンドと呼べない」として 寄与ゼロに扱います。 これにより、レンジ相場での「だましの方向シグナル」を構造的に排除しています。

ADX 閾値の目安 一般に ADX 25 未満 = レンジ、25〜30 = トレンド、30 以上 = 強トレンドと解釈されます。 変動の大きい XAUUSD (ゴールド) では、より高い閾値 (30 以上) を採用することでノイズを抑えます。

BIAS スコア = 4 時間足の重み付き合算

各時間足のトレンド方向 (+1 / 0 / −1 相当) を、時間足の重要度で重み付けして合算したものが BIAS スコアです。 重みは上位足ほど大きく設定されています。

TF重み意味
D1±4大局 (最重要)
H4±3主戦
H1±2短期
M15±1執行
BIAS = Σ (各TFの方向 × そのTFの重み)

  例) D1 上昇(+4) + H4 上昇(+3) + H1 上昇(+2) + M15 下降(−1)
      = +4 +3 +2 −1 = +8  (強い買い優勢)

  例) D1 上昇(+4) + H4 ノートレンド(0) + H1 下降(−2) + M15 下降(−1)
      = +4 +0 −2 −1 = +1  (方向が割れている / 様子見寄り)

合計レンジは −10 〜 +10。正の値が大きいほど全時間足が揃って買い方向、負に振れるほど売り方向です。 0 付近は「時間足ごとに方向が食い違っている」状態で、裁量では手を出しにくい局面と読めます。

BIAS スコアの読み方 — 「揃っているか」を見る

BIAS スコアの本質は、数値の大小そのものよりも「上位足と下位足の方向が揃っているか」を 1 目で把握することにあります。

BIAS スコアは「シグナル」ではありません 本スコアは方向性を俯瞰する背景情報です。実際のエントリー根拠は、トレンドライン・サポレジ・前日高安などの 構造的レベルへの接触 + 価格行動 (プライスアクション) の確認に置きます。BIAS が +8 でも、構造的な売りゾーンに ぶつかっていれば安易に買いません。指標はあくまで「方向確認の補助」です。

なぜこの設計なのか

裁量トレードで陥りやすいのが「下位足だけ見て上位足の流れに逆らう」ミスです。BIAS スコアは上位足に大きな重みを置くことで、 大局に沿った方向を常に意識させます。同時に、ADX ゲートでレンジ相場の寄与をゼロにすることで、 「方向感のない相場で無理にトレンドを読む」ことを防ぎます。シンプルな足し算ですが、マルチタイムフレーム分析の要点が凝縮された設計です。

次回は、ダッシュボード下部の「通貨強弱」が 28 通貨ペアからどう 8 通貨の強弱を算出しているかを解説します。

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