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fx T.C.HARTON
ダッシュボード解説 · 約 6 分

相関マトリクスの読み方 — 対数収益率で測る 10 銘柄の連動性

相関ヒートマップは何を計算しているのか。対数収益率・ピアソン相関・20/100/500 本の時間窓・色階調の意味を解説し、重複ポジションのリスク管理に使う方法を示します。

相関マトリクス (相関ヒートマップ) は、監視中の 10 銘柄が互いにどれだけ同じ方向に動いているかを色で示すボックスです。 一見地味ですが、「気づかないうちに同じリスクを二重に取っていないか」を防ぐ、リスク管理の要になります。

相関ヒートマップ (濃赤=強い正 / 濃青=強い逆 / 灰=無相関) EURUSDGBPUSDUSDJPYXAUUSD EURUSDGBPUSDUSDJPYXAUUSD 1.0 .72 -.55 .12 .72 1.0 -.48 .18 -.55 -.48 1.0 -.78 .12 .18 -.78 1.0 EURUSD と GBPUSD は +0.72 = 同方向に動く USDJPY と XAUUSD は −0.78 = 逆に動く
図: 相関ヒートマップの例。同方向に強く動くペア (濃赤) を複数持つと、知らぬ間に同じリスクを二重に取ることになる。

何を計算しているのか — 対数収益率のピアソン相関

相関は「価格そのもの」ではなく「対数収益率 (log return)」に対して計算します。手順は次の通りです。

1. 各銘柄の終値の系列を取得
2. 対数収益率に変換:  return = ln(終値) の差分
3. 銘柄ペアごとにピアソン相関係数 r を計算 (−1 〜 +1)

なぜ価格そのものではなく対数収益率を使うのか。価格の水準そのもの (例: ゴールドは 3000 ドル台、ドル円は 150 円台) をそのまま比べても意味がありません。 「変動の方向と幅」だけを取り出して比較するために、収益率に変換してから相関を測ります。対数を使うのは、変化率を加法的に扱えて統計的に素直なためです。

相関係数の意味

相関係数 r意味
+0.7 〜 +1.0濃赤強い正の相関 (ほぼ同じ動き)
+0.3 〜 +0.7オレンジ弱い正の相関
−0.3 〜 +0.3グレーほぼ無相関 (独立)
−0.7 〜 −0.3弱い逆相関
−1.0 〜 −0.7濃青強い逆相関 (反対の動き)

時間窓の切り替え (20 / 100 / 500 本)

相関は見る期間で変わります。3 つの窓を切り替えられます。

実用 — 「重複リスク」を避ける

相関マトリクスの最大の使いどころは、同時に持つポジションが実質同じ賭けになっていないかのチェックです。

例: 二重リスクの発見 EURUSD ロングと GBPUSD ロングを同時に持つとします。この 2 つが +0.8 の強い正相関なら、 実質「USD 売り」に 2 倍賭けているのと同じです。狙ったつもりのない集中リスクを、ヒートマップが一目で教えてくれます。 逆に −0.8 の逆相関ペアを両方ロングすれば、損益が打ち消し合って動かない、という事態も避けられます。

注意点 — 相関は変化する

相関は固定ではありません。平常時は無相関でも、リスクオフ局面では多くの通貨が一斉に「対 USD で売られる」など、 危機時に相関が急上昇する現象がよく起きます。だからこそ短期 (20 本) の窓で「いま相関が高まっていないか」を監視する価値があります。

まとめ

関連: 通貨強弱の計算ロジック / 自動検出する構造レベル

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